資格に業務独占資格と名称独占資格がありますが、違いはなんですか?

国が法律によって定めている資格のなかには、業務独占資格や名称独占資格と呼ばれているものがあります。これらは意味合いが微妙に異なっていますが、法律に違反した場合の何らかの罰則が定められているのはどちらも同じです。
業務独占資格のほうは、その資格を持っている人だけが特定の行為を行うことを許されているようなもののことをいいます。主としてその職務を遂行するにあたって高度な専門性が必要なため、法律で厳密にその仕事の知識・経験や能力を認定する制度が設けられている場合が該当します。
たとえば医師は診察・治療や手術といった行為を通じて他人の身体や生命に大きく関わる仕事を司っています。そのため医師法によって医師国家試験に合格した上で、厚生労働大臣の免許を受けなければならず、その後も2年間にわたる臨床研修を要求されるなど、かなりの負担が課されます。そこで法律では医師のみが独占的に医療行為を行うことを認め、他の人にはこれを禁止するとともに、法律に違反した場合には3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処することとしています。
このようなものを業務独占資格といい、他には訴訟や審査請求などの法律事務全般を取り扱っている弁護士があります。やはり国家試験や弁護士名簿への登録、司法修習生制度などを持つ資格で、国民の権利義務に直接的に関わっていますので、法律で同様の規制が見られます。
いっぽうの名称独占資格のほうも類似しており、医療福祉分野によく見られます。専門性に鑑みて特定の資格の保持者だけにその名称を標榜することを認めて、他の人が名称そのもの、または類似の名称で業務を行うことを禁止する規定が法律に定められています。
たとえば介護福祉士は障害者などからの相談に応じたり、医師などの関係者との連絡調整やその他の援助を行うことが職務内容です。こちらも専門性が高く重要な仕事に変わりはなく、社会福祉士及び介護福祉士法のなかで、実務経験を経て国家試験に合格するか、または養成施設を卒業した上で厚生労働省の登録簿に登録しなければならないことになっています。そこで必要な知識と技能を兼ね備えて名簿に登録された人だけに介護福祉士を称することを認め、違反した人は30万円以下の罰金に処せられます。
これが名称独占資格であり、実は業務独占資格のほうは無資格者が業務を行うこととあわせて名称を名乗ることも禁止していることが多いのに対して、名称独占資格のほうは名称のみの規制にとどまっていることが大きな違いです。したがって業務独占資格のほうが相対的に規制が強めといえます。

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